随想・雑感

消費者啓蒙活動の立場から

評議員 近藤 とし子

 「財団時報第一号」に西村政太郎理事長様が述べられて居りますように、日本人にとって米と大豆は切り離すことのできない伝統食品であるだけに、そのまま食べておいしい大豆をなぜ手間ひまかけて高純度の大豆たん白質食品に作り変えねばならないかと、当時はまだ今日のように加工食品が出廻っていない時代でしたから、疑問の部分もあって、故井上五郎先生や後には渡邉篤二先生らに消費者のこうした疑問を率直に投げかけたものでした。そして、私どもの社団法人栄養改善普及会では全国的に“大豆たん白質の食べ方教室”を開き毎日のように学習したものです。また当時は一方では石油たん白と混同される消費者団体もあり大騒ぎ致しました。

大阪での食べ方教室の会には当時社長で居られた西村様がその会場にみえ、調理台の間を歩かれて主婦達に質問されている姿には、新しい食品を創造される御苦労に感じ入ったものです。今にして思えば、もうその頃から不二たん白質研究振興財団の御構想をお持ちではなかったかと失礼ながら御胸中を推察しております。

また、私自身も自分の眼で米国の大豆たん白食品を勉強したくて、米国大豆協会の小島よし子さんらと二度ばかり米国の大豆畑に入り説明を聞いたり、市場調査をしたり、学校給食で大豆たん白入りハンバーグの試食も致しました。また、ラルストン・ピュリナ社を訪問してその規模の大きさに驚くなど国際的な良質の食品である事をこのとき痛感致しました。

いよいよ日本でも食糧自給率40%を45%にまで10年後をメドに実現したいという目標を国は発表し、麦と大豆の国内生産を揚げようとしています。

現在、この大豆を日本人は味噌、しょうゆ、豆腐、納豆、豆乳などで年間約90万トンも消費しているといわれています。しかも大豆のほとんどの部分を食べていますが、最近ではその胚軸にイソフラボノイドが含まれ、これが強い抗酸化作用、乳がん予防効果も認められるようになりました。

この「大豆たん白食品」が21世紀の少子、老齢化時代の食卓に健康と喜びをより一層もたらすよう、私ども消費者は、諸先生方の御研究の中から役に立つ情報を日常の食生活の中に取りいれ、手にとって“食はいのち”の大切さをしっかりと体で覚え、実用化に役立てたいと思っております。

終わりになりましたが、今日のような経済的にも厳しい、しかも超低金利時代での財団運営に理事長様はじめ不二製油株式会社様に心から御礼を申し上げる次第です。

〈社団法人栄養改善普及会会長〉

  • 随想・雑感

SSLとは?