随想・雑感

まめプラスのことづくり

評議員 清水 洋史

 4月に、東京青山通りに『まめプラスカフェ』を一か月間の限定 でオープンしました。(渋谷、たまプラーザにも、合計3店舗)

 素材メーカーである不二製油にとっては、珍しい催しなのです。豆乳ブームに代表される最新の市場ニーズを捉え、最新技術の事業化を推進するため、2012年に開発した世界特許技術「USS(ウルトラ・ソイ・セパレーション)」を駆使した「濃久里夢・こくりーむ/濃久里夢ほいっぷ」(豆乳クリーム)「美味投入・びみとうにゅう」(低脂肪豆乳)「大豆道麗・まめどれ」(マヨネーズ風ドレッシング)をベースに、それらを利用した商品を発売されているメーカー様数社とともに、カフェメニュー化しました。又、高圧成形技術により畜肉状の組織を持つ繊維状大豆たん白「大豆ミート」などを積極的に使ったメニューも作りあげ、人気レストランと共催しました。

 延べ来客人数が3万人に迫る大盛況のうちに終わり、「トマト豆乳クリームスパゲティー」「ごま豆乳たれ豚しゃぶサラダ」「お豆ごろごろ豆乳スープ」「究極のソイラテ」などが大人気となりました。

 不二製油は、『大豆ルネサンス』を掲げ、「大豆の原点に戻り、新しい価値を創造する。人と地球の健康に貢献する。」ということを目指していますが、食品は一人でも多くの方々に食べていただかなければ真の社会貢献にはつながりません。今回も大変多くのお客様に喜んでもらえたことは大きな意味がありました。

 USS技術のヒントは、牛乳の遠心分離技術。この技術による特徴あるとても美味しい素材(クリーム→バターと脱脂乳)を元にした用途開発、貯蔵/配送適性の確保による事業拡大を参考にして、超遠心でも分かれない豆乳を独自の技術でリポたん白を含むたん白画分として分離に成功しました。しかも大切なことはそれが今までの大豆素材に比して格段に美味しいということです。(換言すればノンヘキサンの搾油技術)

 2兆円の国内乳業の産業規模に対して不二製油の大豆たん白事業は400億円、その最大の問題は風味であり、これを解決できれば、地球環境や健康志向の追い風を受けて乳業の一割くらいは狙えるはずなのです。

 私は、それを「乳業」に対して「豆業」の創業と言っています。事実、京都や東京の老舗、有名和食店主や中華料理業界、和菓子、洋菓子などの重鎮は、今までには全くない、通常の豆乳とは大きく違うUSS素材を使ってメニュー化しており、多くの料理専門誌も賑わせはじめました。

 こうして開発された「美味しい大豆」をたくさん食べていただくことで不二製油は「生活者の健康を支援する」社会貢献を果たすことを目指しています。

 今年の新入社員が定年を迎えるころには世界の人口は90億人を超え、アジア人は世界の半分を占めアフリカ人は20億人になると言われます。食糧資源とりわけ動物性のたん白資源の枯渇は大きな問題です。また新興国での成人病の進行が早まり、先進国の高齢者化はさらに進んでいきます。

 しかし、人は、資源や栄養という食の基本的な価値だけではなく、それを美味しさや文化という価値に高めて利用します。つまり美味しいものでなければ普及しない。

 「美味しく、健康」の命題を植物性の油脂とたん白で解決することこそが不二製油の使命であると認識し、美味しく食べるため、ものづくり(技術)と、それをさらに大きな価値にするための仕組みを考える必要があります。そのことづくりの一つが、『まめプラスカフェ』だったのです。

〈不二製油株式会社 代表取締役社長〉

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